NEDO「アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業」

株式会社エイゾスは、2021年7月2日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)の実施した「アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業」に係る公募の審査を経て、「資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクル技術開発」というテーマで採択されました。事業期間は、2021年度から2025年度まで5年間(予定)です。


 

テーマ名

資源循環型社会構築に向けたアルミニウム資源のアップグレードリサイクル技術開発


 

内容

NEDO「アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業」の内容

 

アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業

アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業
[1] 日本アルミニウム協会, https://www.aluminum.or.jp/basic/japanindustry.html

アルミニウムは、下記のような特徴を持つ素材で、自動車等を軽量化するための素材として注目を集めています。

  • 軽い
  • 錆びにくい
  • 加工しやすい
  • 熱伝導率が高い

従来、アルミニウムは、海外でボーキサイトなどの鉱物から電気精錬され、地金として日本に輸入されています。純度の高い地金から製造されたアルミニウム素材は、高純度の展伸材として、自動車用のボディ等に使用されます。

それらの製品は、リサイクルされると不純物濃度が増加してしまうため、より低純度の鋳造材として、自動車のエンジンブロックなどに使用されます。これらのリサイクルの仕組みはカスケードリサイクルといい、高純度の素材から低純度の素材へと、素材の品位が徐々に落ちていく形で使用され、最終的には埋立処理されます。

したがって、一部はリサイクルされているものの、高純度の展伸材向けの地金は、常に海外からの輸入に頼っています。

上記システムの課題は3つあります。

  1. 海外でボーキサイトからアルミ地金を作る電気精錬の過程で、1kgあたりのアルミ地金を作るために約10kg程度の温室効果ガス(GHG)が排出されます。
    ※鉄やプラスチックは1kg製造するのに約3kg程度のGHGが排出されるので、それらと比較するとアルミニウム製造によるGHG排出量は大きいです。
  2. 将来、自動車の電動化によって、エンジンブロックがなくなると、鋳造材の用途がなくなってしまい、再生アルミの利用先がなくなってしまいます。
  3. 現在、アルミ地金の100%を輸入に頼っているため、価格や供給にリスクがあります。

そこで本プロジェクトでは、アルミニウム中の不純物濃度が高くても、純度の高いアルミ素材と同等の機能を持つ、再生アルミを製造するアップグレードリサイクル技術を開発します。株式会社エイゾスは、本プロジェクトにおいて、アップグレードリサイクルによって生じるコスト・環境影響を評価するとともに、AIを活用して各プロセスの条件を最適化するための研究開発を行っています。


 

アルミニウムのアップグレードリサイクルシステム

アルミニウムのアップグレードリサイクルシステム
[1] 堀田善治,軽金属 第60巻第3号(2010),134–141

 

目的、評価対象、機能単位、システム境界

目的、評価対象、機能単位、システム境界

 

インベントリ分析(学習データ作成)

インベントリ分析(学習データ作成)

 

AI解析

AI解析

 

結果

結果
[1] 株)スチールユニオンHP、http://www.steel-union.com/index.php/faq/benri

 

本件につきまして、以下のリンク先をご参照ください。
採択情報:「アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業」に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100226.html
事業紹介:アルミニウム素材高度資源循環システム構築事業
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100195.html

謝辞

この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)の助成事業(JPNP21003)の結果得られたものです。