株式会社エイゾスのAI解析プラットフォームMulti-Sigma®を用いて、MEMSセンサの製造プロセスにおける性能指標の予測・要因分析・最適化を行った事例をご紹介します。
1.性能指標(感度、直線性、S/N比)の予測
Multi-Sigma®のAI予測機能では、入力データ(説明変数)と出力データ(目的変数)を用いてAIモデルを学習させ、両者の関係性を捉えたモデルを構築することが可能です。そのAIモデルを用いて7つの製造パラメータ(エッチング時間・温度、成膜圧力・温度・時間、露光量、現像時間)から3つの性能指標(感度、直線性、S/N比)を予測できます。

2. 製造パラメータの影響度要因分析
Multi-Sigma®の要因分析機能では、目的変数である性能指標に対して正(及び負)に寄与する製造プロセス条件を特定することができます。

感度: 成膜時間(23.7%)、
成膜温度(18.0%)、
エッチング時間(16.5%)
直線性:エッチング温度(29.8%)、
エッチング時間(29.1%)、
露光量(12.9%)
S/N比: 現像時間(39.3%)、
露光量(37.4%)
3. 性能指標を同時に最大化する最適化
Multi-Sigma®の最適化機能では、望ましい性能指標を得るための最適な製造パラメータの組合せを提案できます。

(注)本分析で使用したデータは、実際のデータを模した人工データセットを用いています。
期待される効果:
1. 製造プロセスの効率化の提案
2. 実験コストの削減
3. 開発期間の短縮
Multi-Sigma®による最適化の強み:
多目的変数の最適化が実行可能です。目的変数間の相互作用も考慮した最適化のため、目的変数間で相反するような影響があっても、最適な製造プロセス条件を求められます。また、製造プロセスの範囲を限定させた最適化も実行可能です。