複数のアウトプットを同時に予測し、多目的最適化(逆解析)するMulti-Sigma

複数のアウトプットを同時に予測し、多目的最適化(逆解析)するMulti-Sigma

昨今のAIのツールの進化は目覚ましいものがあり、いわゆるAuto MLといわれる、ノーコードで機械学習・深層学習を活用するアプリも多く生まれています。現在、一般的な機械学習のツールは、予測のためのツールで、アウトプットは一つしか解析できないものがほとんどです。しかし、様々な現実の利用のシーンを考えると、それでは不十分なケースが多いのではないでしょうか。

削除可(例えば、アウトプットが複数必要な例として、セールスやマーケティングの例でいえば、お客様の満足度の評価軸や、あるいは売上と純利益など、アウトプットが複数あることが多いと思います。また、ものづくりの例で言えば、品質とコスト、あるいは機能については複数の評価軸があることが多いでしょう。こういったアウトプットが複数あるデータを解析するときに、既存Auto MLでは、アウトプットごとに学習データを用意して、解析を行う必要があります。

次に、最適化が必要な例として、セールスやマーケティングの例で言えば、お客様の満足度を最大化するための営業活動や製品仕様を探索したり、あるいは品質やコスト、複数機能を同時に向上するための最適な製造条件を最適化したりする事例です。予測ができたら、次は最適な条件を探索したいというのは、一般的なニーズかと思います。)

Multi-Sigmaは、アウトプットを複数同時に解析し、さらにそれら複数のアウトプットに対して逆解析を行うことを目的とした、極めてユニークなツールです。Multi-Sigmaでは、インプットは200パラメータ、アウトプットは100パラメータまで解析できるので、極端な例では、200のパラメータから100のパラメータを同時に予測するとともに、100のパラメータに対して、200のパラメータの最適な条件を探索することも可能です。その他にも、インプットに対して複数の制約を加えることも可能で、そのようなツールは世界に類を見ません。なぜ他のツールでは、それが難しいのか、それを本稿で説明します。

ほとんどの解析手法は、アウトプットを複数取れない

まず、昨今提供されているほとんどの解析手法は、アウトプットが一つしかとることができません。一方、深層学習の手法の一つであるニューラルネットワークは、アウトプットを複数とることができる極めて珍しい手法です。したがって、上記図の複数アウトプットをとれるツールは、基本的にはニューラルネットワークをベースにした技術が多いです。

予測と最適化は全く異なるアルゴリズム

一般的に、予測と最適化は、異なるアルゴリズムであるということを理解する必要があります。したがって、予測と最適化を行うためには、2つの異なるアルゴリズムを高度に融合する必要があります。近年、ベイズ最適化という、非常に便利な手法が提案され、特にマテリアルズ・インフォマティクスなどの材料開発分野を中心に、あっという間に利用者が広がりました。一見すると、ベイズ最適化は、いきなり最適化を行っているように見えるのですが、内部では、こちらも深層学習の手法の一つであるガウス回帰で予測モデルを作成し、準降下法で最適化するというステップで実装されている場合が多いです。ガウス回帰は、原理的にアウトプットを一つしか取ることはできないので、現在、アウトプットが一つで、最適化できるツールは、ベイズ最適化をベースにした技術が多いです(ただし、近年では、複数のアウトプットを統合・単一指標化してベイズ最適化で解析する手法が提案されていますが、それはまた別の稿で説明します)。

予測AI×最適化AI

ニューラルネットワークとベイズ最適化(ガウス回帰)という深層学習の技術にふれましたが、この技術はまさに深層学習の2大技術で、私見では、どちらかというと数学系・理論家の方はベイズ最適化を好み、なぜか両方を使う人がいないのですが、私自身は両者の長所・短所がまさに裏表にあるように感じていて、用途に応じて両者を使い分けることが必要だと感じています(こちらも長くなってしまうので、また別の稿で説明したいと思います)。

Multi-Sigmaでは、ニューラルネットワーク解析とガウス回帰という深層学習の2大予測手法を切り替えて解析することができるとともに、遺伝的アルゴリズムという最適化の手法を前述の予測手法と高度に融合することで、複数のアウトプットを同時に予測するとともに、複数のアウトプットに対する逆解析を行うことを可能としています。遺伝的アルゴリズムも、AIの手法の一つとしてあげられることが多いので、いわば最適化のAIが予測のAIを使いながら、自動的に最適な条件を探索するという処理が行われています。

両方を使い分けることで、お互いの短所を補うことができ、現実の様々なケースに対して活用頂ける汎用的なツールになっていると考えています。

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